人がストレッサーにさらされると、心身に反応が起こります。例えば、心拍や血圧の上昇、発汗、筋緊張等身体的な反応や、怒り、不安といった感情や気分の反応が挙げられます。このような心身の反応が生じた時に、なんとかしようと行動しますが、この行動のことをストレスコーピングといいます。コーピングとは日本語で対処という意味があります。
ストレスコーピングには、二種類の方策があると言われています。
一つは、問題焦点型のコーピングです。ストレッサーそのものに働きかけて、それ自体を取り除いたり、変化させたりして解決をはかります。例えば、暑ければ冷房を入れる、不快な行為をされたら止めてという、回避する等が考えられます。
もう一つは、情動焦点型のコーピングです。ストレッサーそのものに働きかけるのが容易ではない場合は、ストレッサー自体をなんとかするのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとすることです。例えば、ポジティブに考えてみる、気分転換する等が考えられます。
加えて、家族や同僚、友人、専門機関等への相談もストレスコーピングの一つと言えるでしょう。これらは社会的支援と呼ばれ、話を聴いてもらうことで気持ちが落ち着いたり、何かしらの解決の緒が見いだせたりするものです。困った時に相談できる関係性を日頃から大切にしておくこともストレスコーピングには重要と言えるでしょう。
参考:
厚生労働省「生活習慣病予防のための健康情報サイト」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
厚生労働相「こころの耳」 http://kokoro.mhlw.go.jp/
筆者:相談センター 臨床心理士・産業カウンセラー