アルコール依存

長期間、多量にお酒を飲んだ結果、アルコールに対する精神依存、身体依存をきたした精神疾患のことを言います。厚生労働省によると、2013年には国内にアルコール依存症が疑われる人は113万人ほどいるとされていますが、実際に医療機関で治療している人は2014年では約5万人と、ごく一部にとどまっています。この疾患の原因は、遺伝的な要因が5~6割、残りが環境的要因であると言われています。

 

アルコール依存症の症状には、精神依存(飲酒への強烈な欲求、飲酒のコントロールができない)と、身体依存(アルコールが切れてくると離脱(禁断)症状が起きる、以前より酒量が増える等)があり、治療開始が早ければ早いほど回復は早いといわれています。ただし、この疾患は本人が症状を認めない「否認の病」とも言われており、医療機関につながりにくいのが特徴です。アルコール依存症による影響は深刻で、肝疾患、脳卒中、がん等、多くの疾患との関連が指摘されているとともに、社会への適応力を低下させ、家族等周囲の人々にも深刻な影響を与えます。

治療方法には、身体症状の治療、断酒の継続、自助グループへの参加などを含む心理社会的治療があります。これらを並行して行い、酒を飲まない日を1日また1日と延ばすことが、回復へとつながっていきます。

 

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/

健康日本21 http://www.kenkounippon21.gr.jp/index.html

 

筆者:相談センター 精神保健福祉士、社会福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント

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