こころとからだの健康

新型コロナ感染症に負けない「ニューノーマル」とは?

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2020年に始まった、新型コロナ感染症による未曾有の公衆衛⽣危機は、これまでの⾃然災害と⽐べても、より甚⼤な社会的混乱を導き、⼈々の⽇常⽣活に広範な影響を及ぼしています。
この感染症がもたらす恐怖や不安、⽇常⽣活への影響と事態の進展予測 の困難さは、当然ながら⼈々に極めて強いストレスをもたらします。
加えてこの感染症特有の性質により、社会的、⾝体的接触の低減が要求され、長引く⾃粛⽣活はメンタルヘルスの維持にとって大切な対⼈交流を阻害しています。こうした感染予防策としての外出自粛、接触制限は、孤⽴感、孤独感を⽣むとともに、種々のストレス解消の機会を奪います。

世界中に広がった感染で、新型コロナ感染症は、CBRNE (化学・⽣物・放射線物質・核・⾼性能爆発物)に起因する緊急事態を 総称する「特殊災害」に分類されました。
これらの特殊災害と呼ばれているものは、地震や⽔害、台⾵等の⾃然災害に比べ、五感で感知ができず不確定な要素が多いため、不安や恐怖が強まりやすく、多くの 社会的混乱を及ぼしうることが⽰唆され、規模においても過去最悪の事態と言わざるを得ません。

「特殊災害」がメンタルに与える影響の特徴として、下記が挙げられます。
① 不安・恐怖・強迫的⾏動 
気分の落ち込みや不眠、罹患者においては自責の念、エッセンシャルワーカーに対するスティグマ(偏見・差別)の発生、感染に対する過剰な反応や強迫行動、ワクチン接種に対する警戒心やデマの流布などなど

② 経済・⽣活⾯での不安、困窮、失職
経済的なダメージは生活困窮を招き、メンタルに及ぼす影響が計り知れません。
また、自治体の税収入減少からくる予算削減により、高齢者・障碍者へのサポートの減少も今後の課題となってくると予想されます。

③ 将来への不安
コロナ感染症の終息の目途が立たない中でのオリンピックの開催など、不確定で予想のつかない社会状況、緊急事態宣言に対する不確定さ、先々のワクチンの効果や持続などに対する不安など

新型コロナ感染症の終息の目途がつかない状況の中、「ニューノーマル」と言われる新たな日常、生活様式の変化が求められています。
働き方にも変化が起き、テレワークの導入、出勤者の削減、大人数での会議の制限などから、オフィスの在り方にも変化が生じています。

また、人との接触機会の減少、孤立孤独を生みやすい外出自粛や人流制限などから、愚痴をこぼす、雑談をする、相談を受ける、相談をする等のコミュニケーション機会を奪います。さらに医療機関への受診のしにくさなどから、ストレス対処が遅れてしまうリスクもあります。

こうした中で、個人では、新型コロナ感染症の拡大によりこれまでにない新たなストレスに対応するために、これまで用いていたストレス対処法の見直し、レジリエンスの強化、新しいセルフケア、コミュニケーションの工夫などが臨まれます。

組織では、相談窓口の設置、声掛けの強化、ニューノーマルに対応する教育の提供など、従業員のメンタルヘルスの維持、強化に取り組みましょう。

 

参考:職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド
一般社団法人日本渡航医学会、公益社団法人日本産業衛生学会
https://www.sanei.or.jp/images/contents/416/COVID-19guide0811koukai.pdf より引用

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