こころとからだの健康
職場のコミュニケーション Part6 ~「Good&New」をやってみました!~
以前のコラム「職場のコミュニケーション」~楽しく話していますか?~で掲載した「Good&New」を弊社で実施しました。
事前と事後でアンケートを実施し、参加したメンバーの感想について集計結果が出ましたので、ご報告させていただきます。
「Good&New」の弊社従業員の感想結果
「Good&New」実施期間:1か月
対象:常勤社員全員
事前に正しい実施方法を参加者に解説してスタート
実施から1か月経過後、実施した感想をアンケートで確認しました。
実施したチームは全体の82.2%
実施後アンケートの有効回答率は81%でした
「Good&New」を実践した感想を教えてください
Q1. チームが活性化した・・・・・・・・・・そう思う、ややそう思う 73%
Q2. リフレーミングの習慣がついた・・・・・そう思う、ややそう思う 73%
Q3. 他者理解が深まった ・・・・・・・・・そう思う、ややそう思う 86%
Q4. コミュニケーションが活性化した ・・・そう思う、ややそう思う 73%
Q5. アンコンシャスバイアスが修正された ・そう思う、ややそう思う 35%
Q6. ポジティブシンキングが身に付いた ・・そう思う、ややそう思う 68%
Q7. 生産性が向上した ・・・・・・・・・・そう思う、ややそう思う 38%
あくまで弊社社員の個人の感想ですが、他者理解の項目は特に効果を実感している社員が86%と高いポイントでした。チームの活性化、リフレーミングの習慣、コミュニケーションの活性化においていずれも73%だったことから、「Good&New」が良好なコミュニケーションのサポートになることが示唆されました。
一方で、「生産性の向上」や「アンコンの修整」は30%台と低い結果でした。
「Q3. 他者理解が深まった」の結果グラフ
「Good&New」実施方法
「Good&New」は、発言内容を他者からの評価を気にせず、また一人の持ち時間が1分以内と負担を少なく行うことが大切です。
実施方法について、改めて解説を致します。
1. チームや他部署の人を3人以上10人以内のチームに分け、朝礼などの場を用いて1人ずつ順番に「Good&New」(よいこと、新しいこと)を話します。チーム編成は固定化せず、ランダムにすると良いでしょう。
2. 1人の持ち時間は1分以内です。
3. 発表する内容は、24時間以内にあった「よかったこと」「ハッピーなこと」「新たに発見したこと」です。
4. 聞く側は、コメントや評価をせず、拝聴に徹底します。
5. 話し手が終了したら、聴き手は拍手で終わります。職場の環境により、拍手を手話で行うなど、声の大きさや拍手に周囲への配慮をして行いましょう。
6. チームの全員が話し終えたら終了です。
7. 毎日くり返し行います。
「Good&New」事例
弊社の実施中の「Good&New」の一部をご紹介します。
ある日のAさん
年末に家族が入院し、突然の一人暮らしに。
ポジティブに考え、ケイタリングでちょっと豪華なお節セットを注文し、一人で迎えるお正月に花を添えました。
ある日のBさん
独立した息子が久しぶりに帰省しました。
食品関連会社に勤務しており、僕の大好きな「肉」を抱えて帰ってきました。今晩は、牛たんステーキが待っていて嬉しいです。
ある日のCさん
週末のジムで初めてボディコンバットに挑戦しました。
手の動きを覚えると足の動きがおろそかになり、ギクシャクする自分に思わず笑っちゃいました。
ある日のDさん
先月から膝が痛く、加齢の所為かと落ち込んでいましたが、遠方に住む娘家族が膝サポーターやマッサージジェルを送ってくれたことで、気持ちがなぐさめられ落ち込みが解消されました。
ある日のEさん
ある蕎麦屋さんで、蕎麦の上に長ネギではなく玉ねぎのスライスが乗っていました。それが美味しくて!
「蕎麦には長ネギ」という固定観念が崩れ去る発見でした。
ある日のFさん
スマホショルダーを購入しました。前回購入したものは、素材が弱く不安だったのですが、今回は丈夫そうです。
落とす心配もなくなり今日から活用できそうです。
ある日のGさん
NHKの「鎌倉殿」が終了し、ロス状態だったのですが、新しい大河が始まり、これも中々面白くハマりそうです。
チームメンバーの意外な趣味やご家族の様子、発見について聞かせていただいています。
他者への理解が深まります。また、毎日、発表するため、日常生活の中でも、自然と「よいこと」探しや「自分ごとニュース」を探すようになったという感想がありました。
あなたの24時間以内の「Good&New」はどのようなエピソードでしょうか?
新入社員がチームに配属されたり、人事異動でメンバーが変わる。春は、新しい人間関係をつくる時期でもあります。周囲のメンバーへの理解を深めるきっかけ、コミュニケーション活性化の一助に活用してみてはいかがでしょう。
筆者:セーフティネット産業カウンセラー、公認心理師