こころとからだの健康
毎年3月1日から8日は「女性の健康週間」です
毎年3月1日から8日は「女性の健康週間」です。
そこで、今回のコラムでは女性の健康課題について考えてみたいと思います。
各省庁がプロジェクトを実施
厚生労働省は「女性の健康週間」実施にあわせ、「大人の相談室~女性の更年期障害って?~」を公開しています。
「スマート・ライフ・プロジェクト」公式サイト内
URL:https://www.smartlife.mhlw.go.jp/event/
また、経済産業省も働く女性の妊娠・出産・更年期等ライフイベントに起因する望まない離職を防ぎ、企業の人材の多様性を高め、企業価値創造につなげることを目的とし、フェムテックを活用したサポートサービスを届ける実証事業を行います。
女性の健康課題について
女性は一生を通じて女性ホルモンの影響を大きく受けています。女性ホルモンの変化により、女性はライフステージごとに男性とは異なる様々な症状や疾患のリスクがあります。
年代別リスク
現代の女性は妊娠・出産の機会の減少から、10代から30代には女性ホルモンの分泌が増加し、分泌増加によるPMS(月経前症候群)、子宮内膜症、子宮筋腫などの病気や月経痛などの症状が増えていると言われています。
また、閉経を迎える40代の半ばになると、女性ホルモンの減少による、肩こり、睡眠障害、気分の変調、動悸、ホットフラッシュなどの症状がでることがあります。
さらに閉経後には、骨粗しょう症、生活習慣病などに罹りやすくなります。
(引用:働く女性のための応援サイトより)
働く女性は増加傾向
労働人口に占める女性労働者の割合は4割を超えています。女性を取り巻く社会状況は大きく変化しています。それぞれのライフスタイルに合わせた多様な働き方を選択できるようになれば、健康課題による失調や離職が予防できるのではと筆者は考えます。
経済産業省の調査では、働く女性の5割が女性の健康課題により「勤務先で困ったことがある」と回答し、「職場で何かを諦めなくてはならないと感じた経験がある」と答えています。(経済産業省「働く女性の健康増進に関する実態調査2018」)
一方で、「ヘルスリテラシーが高い人の方がPMSや月経随伴症状時における仕事のパフォーマンスが高い」「ヘルスリテラシーの高い人の方が、更年期症状や更年期障害時における仕事のパフォーマンスが高い」ことが「働く女性の健康増進調査2018」特定非営利活動法人日本医療政策機構の調査で明らかになっています。
ヘルスリテラシーについて
ヘルスリテラシーとは、「健康情報にアクセスし、理解し、使える能力」と定義されています。(引用:WHO定義)
①正しい情報を入手する
②入手した情報を正確に理解する
③情報の信ぴょう性を吟味し、効果を評価する
④情報をもとに決断し、自らの行動や意思を決定し活用する
「働く女性の健康と仕事の実態調査2019」(日経BP総研メディカル・ヘルスラボ/一般社団法人ラブテリ)が実施した調査によると、「健康に自信がある女性ほど長く働き続ける自信がある」、「健康に自信がある女性ほど離職検討の経験が少ない」結果であり、ヘルスリテラシー向上が、長期的にイキイキ働くことに関係していることが分かります。
自分の変化に気づき、早めの対処を
我慢は大敵
・日常の自分の常態から変化があった時には、産業保健スタッフ、保健センター、かかりつけ医、婦人科などの専門医などに早めに相談を行いましょう
・悩みやストレスを一人で抱え込まず、進んで相談しましょう
・正しい健康情報を入手し、生活リズム、体内リズムを整えましょう
筆者:産業カウンセラー、公認心理師
参考:働く女性のための応援サイト
https://joseishugyo.mhlw.go.jp/health/lifestage.html
日経BP女性メディア5媒体で健康 × 仕事の両立 1000 人調査を実施 女性が働き続けるには「女性に特化した健康支援」が欠かせない
https://project.nikkeibp.co.jp/atcl21f/gdn/090500026/PDF_01.pdf
経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」平成31年3月 経済産業省 ヘルスケア産業課
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/josei-kenkou.pdf
日本医療政策機構 【調査報告】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)
https://hgpi.org/research/809.html