こころとからだの健康

コロナ禍におけるメンタルヘルス~感染後のロングコビットについて~

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2021 /10 / 7 (公財)NIRA総合研究開発機構が「第5回テレワークに関する就業者実態調査」速報結果を公表しました。
一連の調査では、コロナ禍における就業者のメンタルヘルス調査も実施しています。

このメンタルヘルス調査結果(※K6スケールを使用)において、コロナ禍のメンタルヘルスは均一に悪いわけではなく、性別よりも年齢階層による違いが大きいことがわかりました。

図表5-4 0~3点では、性別にかかわらず、40代以下より50代以上の密度が大きく、10~14点付近ではその逆の傾向が顕著になります。K6は得点が多いほどメンタルヘルスが悪いと解釈ができることから、特に40代以下の人は50代以上の人に比べて、深刻な状態にあるといえます。
(※K6 Kessler 6 scaleうつ病・不安障害のスケール 合計点数が9点以上の場合、心の健康が崩れている可能性が高いとされる。)

新型コロナウイルスの感染経験がある人は、感染したことのない人と比べると、メンタルヘルスが悪く、経済的な困窮への不安も抱えていることも明らかになっています。

6-2. 過去 30 日間に どれくらいの頻度で、生活が経済的に困窮するという不安を感じたかをたずねたところ、感染経験者のうち 30%以上の割合の人が、経済的困窮への不安を「いつも」「たいてい」感じていたと答えています。

一方で、感染経験のない人では「いつも」「たいてい」不安を感じていた人の割合は16%にとどまり、まったく不安を感じなかった人の割合は 40%以上でした。

東京都が作成した「新型コロナウイルス感染症 後遺症リーフレット」によると、感染時の症状の有無にかかわらず、感染から回復した後にも後遺症として様々な症状がみられる場合があり、こうした状態を「ロングコビット」と呼びます。

後遺症のデータによると、労働に対する影響があると答えた人が65%おられ、こうした後遺症の有無が経済的困窮への不安にも関連しているのではと思われます。

後遺症の症状としては、嗅覚異常(32%)、倦怠感(27%)、味覚異常(25%)、咳・たん、呼吸困難、発熱、抜け毛等、多岐にわたり、その症状は複合的であり、強度も様々であり、後遺症に苦しむ人が多くおられることに対する社会の理解が求められます。

「コロナ後遺症相談窓口」の利用者の多くは就労世代が占めており、比較的、感染時の症状が軽いと言われている20代(20%)30代(16%)が後遺症の症状に悩んでおられることが分かりました。
後遺症の治療は対症療法が中心であり、メンタルヘルスの維持のためには、家族や職場など周囲の理解、サポートがとても大切です。

・周囲は、温かなまなざしで見守りましょう
・普段と違う様子はありませんか?
・普段から挨拶をする、何気ない会話など心がけましょう
・ロングコビットかな?と感じたときには、一人で抱えず、周囲のチカラも役立てましょう
・症状や変化に悩んだら各種専門家に相談しましょう

 

厚労省や自治体では後遺症に悩む人のための相談窓口、経済的困窮を抱える人のための相談窓口、メンタルヘルスに関する相談窓口等を設けています。

新型コロナウイルスに関する相談・医療の情報や受診・相談センターの連絡先
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
新型コロナウイルス感染症の影響による特別労働相談窓口一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/index_00004.html
新型コロナウイルスに関する経営相談窓口で土日祝日も相談を受け付けます
https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200228010/20200228010.html
生活を支えるための支援のご案内(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622924.pdf

セーフティネット相談センターは、24時間、会員様のご相談を受け付けています。
いつでもご相談をお待ちしております。

 

著者:産業カウンセラー 公認心理師

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