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「過去1年で自死した児童・生徒は暫定値で512人となり、過去最多となる見通し 」 厚生労働省発表

2023/03/03

厚生労働省が2月に発表した統計では、去年1年間で自殺した児童生徒の数は暫定値で512人となり、前の年の確定値を39人上回り、初めて500人を超えて過去最多となる見通しです。
このうち、高校生が前の年より38人多い352人(男子高校生が前年に比べ38人増加)、中学生が5人少ない143人、小学生が6人多い17人でした。

 

◆3月は「自殺対策強化月間」
3月は「自殺対策強化月間」となっており、文部科学省は厚生労働省と連携し、子どもたちに向けたメッセージを発信しました。

 

◆自殺の要因
2021年の警察庁の調査から、自殺の要因として、「学業不振」「入試に関する悩み」「進路に関する悩み」の割合が多くなっていることが分かりました。

 

◆長岡文部科学大臣のメッセージ
「児童や生徒に、味方になってくれる大人は必ずいると知っていただきたい。保護者や学校関係者は児童や生徒の微妙なサインに注意を払い、不安や悩みの声に耳を傾けていただきたい」と発信。
また、全国の教育委員会に通知し、悩みや困難を抱える児童や生徒をいち早く察知し、保護者などと連携をするよう求めています。

文部科学省は、相談窓口を設置し相談を受け付けています。
「24時間子供SOSダイヤル」0120-0-78310

◆日頃から丁寧な観察を行い、ちょっとした変化に気づく
・これまでに関心のあった事柄に対して興味を失う。
・注意が集中できなくなる。
・いつもなら楽々できるような課題が達成できない。
・成績が急に落ちる。
・不安やイライラが増し、落ち着きがなくなる。
・投げやりな態度が目立つ。
・身だしなみを気にしなくなる。
・健康や自己管理がおろそかになる。
・不眠、食欲不振、体重減少などのさまざまな身体の不調を訴える。
・自分より年下の子どもや動物を虐待する。
・学校に通わなくなる。
・友人との交際をやめて、引きこもりがちになる。
・家出や放浪をする。
・乱れた性行動に及ぶ。
・過度に危険な行為に及ぶ、実際に大怪我をする。
・自殺にとらわれ、自殺についての文章を書いたり、自殺についての絵を描いたりする。
(引用:「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」のマニュアル及びリーフレットより)

 

◆声かけ
・変化に気が付いたときには、温かな言葉かけを行いましょう。
例えば、「どうしたの?」「大丈夫?」「眠れている?」など

 

◆傾聴
・本人の気持ちを尊重し、耳を傾けましょう。
・悩みを話してくれたら、時間をかけて、できる限り傾聴しましょう。
・話題をそらしたり、訴えや気持ちを否定したり、表面的な励ましをしたりすることは逆効果です。 本人の気持ちを尊重し、共感した上で、相手を大切に思う自分の気持ちを伝えましょう。

 

◆つなぐ
・一人で抱えず早めに専門家に相談しましょう。

 

◆見守り
・温かく寄り添いながら、じっくりと見守りましょう。
・身体やこころの健康状態について自然な雰囲気で声を掛け、あせらず優しく寄り添います。

 

 

参考: 厚生労働省「あなたにも出来る自殺予防のための行動」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130956.html
「令和3年度 児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議 審議のまとめ」
令和3年6月 児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議
https://www.mext.go.jp/content/20210629-mxt_jidou02-000014544_002.pdf
筆者:産業カウンセラー、公認心理師

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